冬至とはいえ暖かく、園内でも巡回中汗をかくほどです。温かいとはいえ、モノトーンの単調な森の植物たちは“冬山惨淡として山眠るが如し”通り永い眠りに入っています。
霜柱・・・子供の頃、凍みた朝、道路脇の霜柱を長靴でガサガサと踏み潰しながら登校した思い出があります。
ここで紹介するのは氷の霜柱でなく植物のシモバシラです。シモバシラ、名前は知っていますが、見たことの無い方が多いのではありませんか。本種は関東以西の分布でこの地方には自生していません。ところが学習館前の花壇に植栽されていました。冷えた朝何気なく見た花壇に霜柱が成長していました。えっ!もしかしてシモバシラ?感激です。
この植物は、協会員の方が手入れされているものです。
シモバシラ(シソ科)霜柱
名前は初冬の頃、氷の張るような冷え込んだ朝、茎の根元に氷の帯ができる。これを“霜柱”に見立てました。
霜柱のできる仕組み
外気が氷点下になり、地上部が枯れても、地中はまだ温かく、根は生きています。この植物は水を吸い上げる力が強く、この時期、まだ水を吸い上げています。茎の導管を上がってきた水は、茎の途中などからしみだし、これが外気にふれて凍り始める。そして、茎がどんどん破れ広がるとともに、氷の花もしだいに大きくなります。最後は導管も破れ、地中も凍って水を吸い上げる事ができず、氷の花も見られなくなります。
この植物以外でも霜柱を作る種類があります。
カメバヒキオコシ・シロヨメナ・カシワバハグマ・
アキチョウジ・
アズマヤマアザミなどです。(赤字植物の分布は東北地方以南です)
サザンカ(ツバキ科)山茶花・・植栽木
花の無い時期に咲く貴重なツバキ科ツバキ属の耐寒性常緑高木です。椿(つばき)の漢名の“山茶花”が、サザンカの名前として間違って定着したようです。サザンカの原種は白の一重咲ですが、園芸種はピンク、赤、八重咲と多彩。一般には葉が大きく花弁や雄しべが筒状のものがツバキ、葉が小さく花弁や雄しべが分かれて散るのをサザンカと呼んでいます。