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2017年 06月 28日
梅雨に入り不安定な天気が続いています。早春の柔らかな萌黄色から緑一色の季節を迎えています。 アワブキ(アワブキ科)泡吹 名前は泡吹きの意味で、枝を切って燃やす切り口から盛んに泡を出すことによる。中央記念館から湿地植物園までの歩道脇で見られます。本種はスミナガシノの食草です。 ウラジロノキ(バラ科)裏白木 名前は葉の裏側が白いことによります。いつもは花の時期を逸していましたが、タイミングよく、目線で純白の花が見られました。秋に果実が赤く熟します。 キブシ(キブシ科)木五倍子 キブシのフシは五倍子(ごばいし)のことです。これはヌルデに出来る虫こぶのことで、大量のタンニンを含み、黒色染料に用いられていました。その五倍子の代用としてキブシの果実を用いたことから名付けられた。花穂の頃は、生け花の花材に利用されますが、ブドウの様に垂れ下っているたくさんの果実は意外と知られていません。 スイカズラ(スイカズラ科)吸蔓・ニンドウ(忍冬)別名キンギンカ 名前は子供達が花の奥にある蜜を吸ったことによります。又中国名の忍冬は冬にも葉が緑色を保つことによります。葉脈に甘い芳香のある花を2個ずつつけ、花ははじめ白色又はわずかに淡紅色を帯びるが、しだいに黄色に変化するので金銀花とも呼ばれる。香りは昼より夜のほうが強くなります。これは花粉を媒介する夜行性のガを呼ぶためと考えられています。 センダン(ニガキ科)栴檀 別名オオチ 名前は諸説あり一定しませんが、果実の付き方が数珠のように見える千珠(せんだま)の説や、実が沢山付いた様子を千団子(せんだんご)、などの説があります。“センダンは双葉より芳し”の諺は香木のビャクダンの事です。 分布は宮城県以南で海岸や海岸に近い山地です。園内に植栽されています。 花は、ほのかな良い香りがします。名前は梅の様な花が咲き、枝や葉が輪生状に 出ることから名付けられました。 ミツバウツギ(ミツバウツギ科) 三葉空木 花の頃は芳香を漂わせていましたが、果実も二股で目立ちます。名前は葉が3小葉で、枝がウツギのように空洞なのでつけられました。 モミジイチゴ(バラ科) 紅葉苺 名前は葉の形がカエデ類に似ることによります。茎は鉤型の刺が多く要注意 です。果実は黄色く熟し美味しく食べられるのでキイチゴの名があります。 ヤマボウシ(ミズキ科)山法師・ヤマグワ 名前は、山法師の意味で、頭状花序を頭に、白い総苞片を法師の頭巾に見立てました。花びらのように見えるのは総苞片で、果実は赤く熟し甘く食べられます。花が美しいので公園樹などに植樹されます。 オカトラノオ(サクラソウ科)岡虎の尾 名前は、虎の尾に似た花穂をつけ、身近な丘に自生しているので、つけられました。花序の上部は垂れ、花は下から咲き上がります。揺れる白い花穂はよく目立ちます。写真は咲き始めです。 ギンリョウソウ(ツツジ科) 銀竜草・別名:ユウレイタケ 名前は姿を竜にたとえたものですが、別名のユウレイタケのほうがピンとくるかもしれません。花ばかりか、全体が透き通るような純白色の不思議な植物です。腐植土から養分を得て育つ腐生植物で葉緑素を持たないため白い色をしています。 ドクダミ(ドクダミ科)蕺草 名前は毒や痛みに効くということから“毒痛み”が転じたものと言われています。民間薬として利用され、10種の薬効があるという意味で、十薬とも呼ぶ。茎の上部に小さな花穂を出し、小さな花を多数つける。4枚の白い花弁のように見えるのは総苞片です。美しい花姿ですが、花粉では種子が出来ず、単為生殖で種子が出来る原始的な種類です。 ヤマブキショウマ(バラ科)山吹升麻 名前は、小葉がヤマブキに似ていること、升麻は生薬の名前です。雌雄異株、 葉がヤマブキに似た多数の並行脈があり、花は雄株が派手です。 ヤマホタルブクロ(キキヨウ科)山蛍袋・チョウチンバナ 名前は広鐘形の大きな花に“ホタル”を入れて昔の子供が遊んだかもしれないと大人が想像してつけた説とチョウチンバナの方言があります。こちらはホタルブクロの花は“提灯”に似ており、古くは提灯のことを火垂袋(ほたるぶくろ)と呼び、本来はその花の形からきた名前のようです。本種はホタルブクロの変種で萼片の付属片が反り返っていません。 マルバダケブキ(キク科)丸葉岳蕗 名前は、大きな葉(30㎝位)からフキを連想し、フキに比べ標高の高い山岳 に自生するので“岳蕗”です。葉は丸く蕗に似ていますがオタカラコウの仲間です。野趣溢れる山吹色の頭花を咲かせています。 マタタビ(マタタビ科)木天蓼・別名ナツウメ・ネコナブリ 名前はアイヌ語の「マタタムブ」が訛ったとの説が有力ですが、旅人が実を口にして疲労を回復し、また旅を続ける事が出来た、復旅(またたび)の由来もあります。梅雨の時期、葉が白く変化し、虫たちに存在を知らせています。その下に芳香のある白い花が下向きにひっそりと咲いています。 クリ(ブナ科)栗 別名シバグリ 受粉に成功し、成長を始めたばかりの若い殻斗(イガに包まれている状態の果実)。クリというと大きな“いがぐり”ばかり目が行きますが、こんな赤ちゃんの姿は中々気が付きません。因みにクリといえば丹波栗が有名ですが、国内の生産量は1位茨城、2位熊本で約50%を占めています。 ニガイチゴ(バラ科)苦苺 別名ゴガツイチゴ 果実は甘いですが、少し苦みがあり、名前の由来はここから来ています。モミジイチゴに似ていますが、葉がやや小型で、葉裏が粉白色。全体が無毛なことが特徴で葉は通常浅く3裂します バイカツツジ(ツツジ科)梅花躑躅 名前は花が梅の花に似ていることによる。ツツジの花が終わった頃、可憐な花を咲かせています。生育地は一般に尾根や乾いたところに生えています。 アカメガシワ(トウダイグサ科)赤芽柏 名前は新芽が赤く目立ち、カシワの葉と同じように葉に食物を載せるのに使った事によります。穂のような雄花が円錐花序を出しています。崩落地や開けた場所などにいち早く侵入します。雌雄別株です。 ノギラン(キンコウカ科)芒蘭 名前は、花のそばに細い葉“苞(ほう)”があり、これをイネ科の“芒(のぎ)”に見立て、地際の葉を“ラン”の葉に見立てました。ロゼットの葉は、一見ショウジョウバカマと見間違えそうです。花茎は高さ20~50㎝位伸び、穂状に咲いています。 イチヤクソウ(ツツジ科)一薬草、別名 鹿蹄草 名前は全草を乾かし薬用としたことから名付けられました。葉は常緑で根ぎわに集まってつきます。葉の間から20㎝ほどの花茎を立て、ウメの花に似た花を2~10個ほど下向きにつけ。遊歩道わきにひっそりと咲いています。ギンリョウソウと同じ仲間です。 ヒツジグサ(スイレン科) 未草 名前は未の刻(午後1~3時)に咲くことによりますが、実際は朝から開花しています。花は日中開き夜閉じます。清楚で美しい花が菅野沢沼一面に咲いています。花期は長く9月頃まで咲いています。是非散策の足を止め鑑賞してください。 ナツノハナワラビ(ハナヤスリ科)夏の花蕨 名前のように春に芽吹き、夏に穂をつける。夏緑性。これに対して秋に芽生え、冬に穂を付け春に枯れるフユノハナワラビがあります。 クモキリソウ(ラン科)蜘蛛切草 蜘蛛散草 雲霧草 名前は花葉の形から蜘蛛に、頭胸部が花に似ているから、蜘蛛切草です。林内に生える多年草です。葉は2個。花茎の先端部分に、蜘蛛の幼虫を散らしたように咲いています。 ウツボグサ(シソ科)空穂草・靫草 別名夏枯草 名前は花後の枯れた花穂を、矢を入れる“空穂(うつぼ)”に見立てました。また花が枯れて黒っぽくなっても、そのまま立っているので夏枯草とも言います。
by m-kenminmori
| 2017-06-28 00:00
| こまねちの植物手帳
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