森と遊ぼう! 0919

空も高く秋風が爽やかな晴れです

まさに散策日和

『森と遊ぼう！』始まります〜

本日のテーマは「フェルメールの世界・植物編」

森でフェルメール？と謎は膨らみますが

森へ繰り出しましょう！

中央記念館を出るとさっそくゲンノショウコ

薄い紫の小さな5弁の花が愛らしい

種子を飛ばす頃には

お神輿の屋根の様な形となり

ミコシグサとも呼ばれます

遊歩道に入れば

ミンミンゼミやツクツクホウシの鳴き声に包まれ

夏の名残を感じます

杉林の遊歩道にはツクバネが茂り

果実の先に４枚の長い苞がついて

羽子板の羽の形です

「きゃあ、可愛い」と人気者

カメラを向けますがピントが難しい！

針葉樹に半寄生の樹木です

雌雄異株なので果実のないのもありますよ

湿地まで降りて

お楽しみのツリフネソウ

キツリフネも一緒に咲いています

不思議なお花の形ですね

中もよーく見てください

紫の花の中に黄色の蜜標見えますか？

虫たちに「蜜があるよ」とお知らせしています

それを目指して飛んでくるのは

丸くってけむくじゃらのマルハナバチ

蜜を集めに来た時に背中に花粉を移して

他のお花に運んでもらう作戦です

と、話していると

来たッマルハナバチ！

ボスっとお花に入ってピュッと出ていきます

ツリフネソウはマルハナバチにジャストサイズ

※写真はアベリアに来たクロマルハナバチ

突然、「奥村チヨの『恋の奴隷』知っていますか？」

と講師、みなさん「知ってる！」

♬あなた好みのあなた好みの、女になりたいの〜♪

と口ずさんで、大笑い！

マルハナバチとツリフネソウの関係ね

そうそう、お花を横からも見てね

紫のツリフネソウの先端(距)はクルリと巻いています

黄色は真っ直ぐのまま

よく見ると葉も違っていて感動です

種子は熟すとパチンと弾けるので

その頃に観察できたら楽しいですよ

湿地にはミゾソバ

別名ウシノヒタイ、葉の形が牛顔っぽいから（笑）

金平糖の様な可愛いピンク

地上の花は虫に花粉を運んでもらいますが

地下の茎にも閉鎖花がつき種子を実らせる事もあるそう

保険を掛けているんですね

遊歩道を歩けばひっつき虫の季節

チチミザサ、ヒカゲノイノコヅチ、ミズヒキ、キンミズヒキ

いろんな植物が動物に引っつこうと準備万端

動けない植物の生存戦略デス

あちこちで頑張るひっつき虫を観察し

遊歩道沿いに咲くハギも愛でて

遊歩道を登り切ります

中央記念館裏に咲いていたツユクサを拝借して来ました

空気は爽やかですが

歩くとやっぱり暑いですね

涼みながら座学

先ずは用意していたツル植物のクズを観察

大きな葉っぱに紫色のお花もついています

最近は嫌われ者のクズですが

昔は有用植物として身近な植物でした

新芽は天ぷらやお浸しとして

根っこは葛粉として食料や薬に

葉は家畜の飼料

ツルは紐がわりや繊維をとって葛布

などなど

でも今は使われません・・・

種子は落ちたらすぐ発芽するタイプと

休眠してじっとチャンスを待つタイプ

と言う二本立

生命力がとても強いので放っておくと

地下茎と種とで、増える増える！！！

他の樹木に這い上り大きな葉で覆い尽くしてしまうので

本当に脅威ですよね

以前、砂漠の緑化のために輸出された事もあるのですが

今では海外でも厄介者だそうです

さてフェルメールの世界への誘いです〜

さっきのツユクサをスケッチしてみましょう

青紫の大きな花弁が２枚

その下に白(半透明？)が一枚

一番奥に黄色のXXXは虫を呼ぶ飾りオシベ

その手前、黄色に少し茶色いYは

ほんのちょっとだけ花粉を出すお誘いのオシベ

下方に伸びる3本の真ん中がメシベで

両脇の2本の茶色のOが花粉がたくさん出る本物のオシベ

複雑なつくりですね・・・

飾りオシベで虫を惹きつけ花にとまったときに

長いオシベに触れさせて花粉を運んでもらいます

お花が咲いているのは半日程度

受粉できなかった時には苞葉に包まれる時に自家受粉

これは保険ですね

色相環ってご存知ですか？

学校で習いましたよね

そうそう対角の色同士は引き立て合う？目立つ？

ツユクサの青の対角は黄色！

下の花びらは白なので光を反射し色が冴えます

そして

フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」

と呼ばれている絵です

青と黄色の２色のターバンに黄色の服

白い襟とイヤリング

まさにツユクサの色合い！！！！！

と、感動した時に

まあ、人間で例えると

ツユクサの飾りオシベは、夜の街のネオンサインか、美人の看板かな？

で保険のオシベは、閉店間際の一杯のお酒

それに呼ばれてしまうお客さんが、虫たちってとこかな？

との説明にみなさん大笑い！

次回は、10月17日　「小さい秋『実』つけた」をテーマに

森と遊びましょう！